Riinagisaのブログ

読みたい人が読めばいいよ。私は好き勝手するから。

もうすぐ秋ですね

「女の子ってお金がかかるのよ」


そう心の中で呟き、

私は4時間噛んだ味のしなくなったガムを
血だらけのナプキンに吐き出した。

トイレの隅に置いたゴミ箱に捨てて、蓋をした。


私が血を流してから3日目。
人工的に発生させた膣内からの出血。
気持ちよさに負けて、捨てちゃった理性。
まだ私たちには早いんだという決断で、 事後に避妊する事を決めた。

お薬代は、安くはない。


いつか本当に子どもが欲しいと思った時に

体内に宿せないことが起きてしまったらと不安に駆られる。

起きてもいない、未来の事象に対して悲観的になる。 悲しさが私を襲う。

 

好きなんだけどな。早く一緒になりたいのにな。

でもね、まだ、早い。

 


今週は始まったばかり。

 


以下は、メモ書き。

今日見た、忘れたくない光景。


・バイト時代の先輩のLINEホーム画面が、 ウエディング写真に変わっていたこと。私より2つ年上の先輩。 羨ましくなった。


・道の隅に落ちていた版画板。
 街灯の殆どない夜道で、彫刻刀で削った木の色が私の目に訴えかけ てきた。きっと小学生が四苦八苦して堀ったのだろう。
懐かしい。 ささくれた美術室の机や異様に小さな背もたれのない椅子、 香りを思い出した。


・どんぐりのような丸い大きなやさしい爪。
ふと目が合ったのは、 柔らかなパーマをかけオフィス服を纏った少し年上の男性。 どきりとした。私が帰路に乗った千代田線車内で、 彼は向かいに立っていた。その男性は何事もなかったように目線を 、自身のスマートフォンに移した。
一方私は、それまで凝視していた画面を閉じ、 静かにトートバックに落とした。一人気分を高揚させていた。 既視感がある。しかし2度見も3度見もする度胸はなかったので、 爪を見ていた。一目で男性だとわかる手。爪。 丁寧に手入れをされていることは、 つま先を丸く切り揃えられていたことから感じ取った。 丸く美しい形は、どんぐりを想起させた。

 


もうすぐ秋ですね。 

 

会社で暇だから書いた日記(0709)

いくら暇だとは言え、 会社では暴力映画をみるべきではないのだと思う。

使い古したスマートフォンの小さな画面でさえ見ることは、 はばかれる。

 持ち歩いている小説は、混んだ満員電車の中で読みたいし、 かといってPCのソフトを使う気も起こらない。

 まさか、会社で日記を書くことになろうとは思わない。 真横を通る年配の上司から出力したまま忘れ去られていた見積書を 手渡される。もう不必要になった書類。笑顔で「 ありがとうございます」とだけ伝える。 少し酒臭いような気がする。可笑しいな、18時になろうとしてい る頃なのに。

 しかし、彼はそうだったじゃないか。去年の先月くらいだろうか、 個別で私に説明会を開いてくれ、昼から「秘密な」 と大笑いしてワインを飲みに行ったじゃないか。

今年も、そうしているのかもしれない。

 

 「私とあなただけの秘密」というものは、大概「あなたと、 その他大勢」に交わされることが多い。 秘密を共有すると言うのは、高揚するものだ。そして、その「 あなた」 だけを守ってあげようという絶対的な服従心に支配されるものだ。

 ところが、 あなたという人は私に一度話したことから持ちうる秘密の重みを忘 れてしまう。忘れたあなたは、 他者へとふわりとその秘密を共有するのだ。 それを知った私はなんだか、 私の存在まで軽くあしらわれているような気分になり、 不貞腐れる。

 

今、使用した「不貞腐れる」 という漢字が果たして妥当なのか気になり、 WEBページをクリックする。そのまま語源辞典を漂う。 気づけば、本日の勤務ももう残り30分。

意味のない時間ならば、言葉を吐き出し文字に残そう。 拙い乱文でさえ、いつぞや読み返す日が来るのならば「思い出」 とかいう風に美化されるのかも知れない。

 

 

 ココで私は、週末に起こったことを思い出す。金曜日、 同様に暇をもてあましていた私は、 同期と昼食を共にする気も起きず、 ひとつ年次が上の先輩方を誘い食事へと出て行く。

「今日はピザが食べたいんです」珍しく、 これが食べたいと明確に意見が生まれた。

でもきっと、「コレが食べたい!」ではなく「 お金を使いたくない、けど何か外食っぽいのを食べたいんだ」 とか言う裏づけが確実にあった。 捻くれた素直さを持ち合わせている。

 

 外は雨。小雨と通常の中間くらい。髪の長い乙女趣味の先輩は、 大きなフリルの施された白い布地の傘をさす。 ウエーブのかかった赤茶色のロングヘアと花柄のワンピースが相ま って、まるでお人形と並んで歩いているようで、嬉しくなる。と、 共にカジュアルすぎる私の服装を少し恥じる。

 面倒見の良い大柄の先輩は、傘を持たずに会社を出た。 私の兄に似ている。

 大抵、人前では笑顔で絶対に敵を作らない。 大柄な体型の人はどうして大らかに居られるのだろう。

 以前、同期に聞いた麻布十番のピザ屋さんに行く。 ここらでは珍しい料金設定だ。一枚500円。

 

 会社にはどんな人が居るのか、 暇で仕方ないときに何をしているのか、 他にも何かを話していたはずだがもう思い出せなくなっている。 店内の客層はやけに若い者だらけで、騒がしかった。その喧騒に、 最初はムッとしたが、次第に私達の話し声も大きくなっていった。

大きな声というのは不思議だ。 閉ざしていることをみるみる内に開放していく。

 普段、 共に仕事をすることのない先輩の趣味思考を少しずつ見ることがで きた。

 

「お昼って楽しいな♪」

寝る前に(0703)

 

 

特に何にもない一日だった。

昨日、下北を歩いていたら倒れてきた工事現場の看板。

 

下敷きになった私の親指の疼きも、無かったことのように。

 

初めて仕事帰りに行ったバンド。

そんなバンドが解散するということも、忘れているように。

 

なんにもない一日だった。

忘れ物をした。名刺を忘れてしまっていた。

 

 

何もないから定時で帰った。

電車内はぎゅうぎゅう。

私の頭は、他人の男性に挟まれていた。

 

過去の男のかおりがする。

右前にいる男性からだ。

上京してから今まで彼の事なんて思い出す事はなかったのに。

 

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「匂いが一番記憶に焼きつくんだよ。ねぇ」

 

本当にその通りだ。

その男のセックスは無味無臭。印象には残らないものだ。

 

唇だけはヤケに大きく柔らかかった。

それが故に口づけは、私を飲み込んでしまうのではなかろうか。包み込むキスだった。

 

毎回、行為が終わると一人玄関を出て安物のタバコを吸いにベッドを出た。

 

私はその間を

好きかもわからない

その男に抱かれたことの背徳感を生み出す時間に充てていた。

 

...前言撤回。

彼は少し腋の臭う人だった。だから、それは印象に残る。

 

 

何度か私はその男の家を訪ねた。

思えば、初めての一人暮らしの異性の部屋である。

 

何本もあるギター。

積み重ねられた平成初期の漫画やギターマガジン。

調味料は冷蔵庫に入れられることはなく、

台所の窓のちょっとしたスペースに埃をかぶって並んでいた。

 

いかにも男子大学生の部屋だった。

 

 

地元では一番難関な旧帝大に通っていた。

バンドマンなのだという。

たまにパチンコに行くという。

よく麻雀をするという。

 

私が、その男について知ってることは多くはない。

_______________

 

その男と同じ匂いが、した。

 

 

 

ほかの2つも書いていたいが、もう寝たい。

 

シャンプーの香り漂うロン毛のお兄さんは、ギターを片手に駅からすぐの音楽スタジオに吸い込まれた。

 

きっと、今夜の練習もとうに終わっているのだろう。そして眠りにつくのだろう。

 

あ、明日で定期券が切れるや。

 

私も、

おやすみなさい。

 

フィッシュライフが解散するんだって。

ねぇ!!ねぇ!!

大切なお知らせなんていらないから...

 


なんでよ〜

上京して初めて仕事帰りに見たバンドやったんよ

最近じゃ、新人感も消えてきて

なんだか、オフィス内での居心地も良いとは言えなくなってきて。

 

まだ、お仕事に対する初めてがいっぱいで

キラキラワクワクしてた。でも不安もたくさんで、そんな私の人生に一回しか無い時に初めて足を踏み入れた渋谷O-crest

 

場所もよくわからんから、

グーグルマップの開いたスマホを片手に

緩い温度の人混みを掻き分けて、一人走ったんだ。