Riinagisaのブログ

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9/5

恋人のいる町に台風が猛威を振るった翌朝

 

午前9時37分

汗をかいたカフェオレを片手に2ケツする女子高生の揺れるスカートと、風を吸い込み膨らんだブラウスに、私はとても泣きたくなった。

彼女はどうにも若く見える母親の漕ぐママチャリの後ろに、慣れた様子で座って遠くを眺めていた。

 

私が、その姿に見とれていると

彼女も振り返り目があった。

 

一目惚れとはこの事だろうか。

心の中で呟いた。

 

そうか、学校は新学期が始まった頃だろうか。

 

9時もとうに過ぎている、

私は少し駅へ足どりを早めた。

 

 

 

如何に被害がひどかったか朝のワイドショーがこぞって特集を組んでいた。

画面に映る大荒れの被害映像と、テレビの奥の窓から見える青色が、どうにも極端で

なんだか他人事のように思えて仕方なかった。

 

なんだか、映画みたいだなぁ。

 

どうしても会社に行きたくなくって

昨日の残業を盾にして、1時間いつもより遅く出社するとデスクにメールを入れた。

 

憂鬱だった気分がフッと軽くなる。

窓から吹き込んでくる風が心地よい。

のんびりと、大きめの氷をカップに3つ

湯をポットに沸かし、フィルターから落ちる熱いコーヒーでそれらをゆっくり溶かした。

 

久しぶりのアイスコーヒーは

少し薄かった。

 

もう秋か。